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調査報告書の作り方
〜現物出資で株式会社を設立する場合に必要な書類です〜
現物出資がある場合のみ調査報告書を作成します
従前ならば、株式会社を設立する場合、設立時の取締役・監査役が揃って必ず、
- 発行株式が全部引き受けられたか?
- 引受株式の払い込み、および現物出資の給付があったか?
- 現物出資等の金額の合計は法律で定められた範囲か?
- 現物出資財産の価額設定は適切か?
ということを調査し、調査報告書にまとめなければいけませんでした。
ところが、2006年5月1日から施行された新会社法では、
- 現物出資財産がある場合のみ、調査報告書を作成し、法務局に提出する
と変更されています。
よって、「資本金を全額、金銭で出資するのだ」という方は、調査報告書を作成する必要はありません。
現物出資がある場合は、従前と同じように調査を行い、調査報告書を作成する必要があります。調査すべき事項は下記の4事項です。
(1) 発行株式が全部引き受けられたか?
発起設立では「定款」や「株式引受証」で、募集設立では「株式申込証」や「株式申込取扱証明書」で発行株式がすべて引き受けられたか確認します。
(2) 引受株式の払い込み、および現物出資の給付があったか?
「払込証明書」や「財産引継書」で確認します。
(3) 現物出資等の金額の合計は法律で定められた範囲か?
現物出資には様々な規制が存在します。本来ならば裁判所に「現物出資で会社を設立します」ということを申し出て、裁判所が選任した検査役が財産評価を行うことになっているのですが、
- 現物出資した財産の総額が500万円を超えない場合
- 不動産の現物出資で、不動産鑑定士に評価してもらい、その評価額が適正であると証明してもらった場合
- 証券取引所の扱う有価証券の現物出資で、評価額が取引所の相場以下の場合
- 履行期到来の金銭債権を、その債権にかかる負債の帳簿価額以下で出資した場合
この4つのいずれかに該当する場合のみ、「会社の役員に財産評価を任せよう」ということになっているのです。
よって、自分達で調査報告書を作成するには必ず、上の4つにあてはまっていなければいけないのです。
(4) 現物出資財産の価額設定は適切か?
最も大切な部分です。不正に高額な評価を付けていないか確認しましょう。
- ○○○○(現物出資する財産)については、時価1万5000円と見積もられるべきところ、定款に記載した評価価格はその約3分の2の金1万円であり、これに対し割り当てる設立時発行株式の数は△△株であることから、当該定款の定めは正当なものと認める。
というように新会社法の調査報告書では、従前の調査報告書より詳しく記載しなければいけないようになっています。
調査報告書(見本)
- 定款に記載したとおり、会社名を正確に記載します。
- 取締役のみの場合は「取締役に選任されたので」
監査役もいる場合は「取締役及び監査役に選任されたので」
と記載します。 - 財産引継書に記載した現物出資財産を記入します。
現物出資財産の価額や割り当て株式数は定款と相違しないように記入しましょう。 - 財産引継書に記載した日付と一致させます。
- 払込証明書に記載した日付と一致させます。
- 調査報告書を作成した月日です。
「4」と「5」に記載した日付以降の月日を記入します。 - 設立時の取締役全員の氏名を記載して、各自が実印にて押印します。
監査役がいる場合は監査役も記載し、実印を押印します。
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